
給排水設備研究2021年7月号
2021-07-25
特集:治水
Flood control
「治水」は、河川の氾濫等による水害から人々や地域、生活を守るために行う事業であり、各地で古くからさまざまな取り組みが行われている。
明治以降から法整備や治水計画により近代治水が進められ、浸水面積は減少傾向にあるが、水害被害額は大きく変わらず、水害密度(1haあたり被害額)は増加傾向にある。
さらに近年、強雨傾向が高まっており、数十年に一度の降雨量となる大雨が予想される場合に発表される「特別警報」も頻発している。そしてそれに伴う水害も、台風だけでなく局地的な線状降水帯の発生などにより突発的に発生する傾向も見られ、被害が激甚化している。
本特集では、流域治水から豪雨をとらえる技術、建築物の治水への取組までを総合的に取り上げることによって、給排水設備分野が今後取り組むべき課題を読者とともに考えていきたい。
- 巻頭言 頻発する大水害へ対応方策 — 吉谷純一(信州大学)
- 雲を観るレーダ ゲリラ豪雨の早期予測を目指して — 三隅良平(防災科学技術研究所)
- 『雨水活用技術基準(AIJES-W0003‒2016)』と流出抑制 — 宋城基(広島工業大学)
- UR都市機構の団地再生事業における防災の取組み 草加松原D街区における雨水流出抑制対策について — 渡邉安輝(都市再生機構)
- 川口市第一本庁舎 — 市川卓也(山下設計)
- 多摩川水系流域治水プロジェクト — 出版委員会
本誌発行前の7月上旬に、熱海市伊豆山の土石流発生をはじめとして大雨による被害が生じた。私は職場の研修所がある熱海をよく訪れ、その際にはほぼ毎回伊豆山神社も訪れていて、被災現場もよく通っていたのでたいへん心を痛めている。亡くなられた方へのお悔やみ、被災された方へのお見舞いを申し上げるとともに、早期の復旧・復興をお祈りしたい。
NPO給排水設備研究会 出版委員会委員長 小瀬博之
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