
給排水設備研究2020年4月号
2020年4月25日
特集:水環境とエネルギーの未来・I
The future of water environment and the energy
国際社会に共通の目標となる「持続可能な開発目標(SDGs)」や、温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」を国連が決めたのを受け、日本政府は今年の1月21日に統合イノベーション戦略推進会議(第6回)で、エネルギー・環境分野における技術革新で、日本と世界のCO2排出削減を目指す「革新的環境イノベーション戦略」を決定しました。世界のカーボンニュートラル、さらには過去のストックベースでのCO2削減(ビヨンド・ゼロ)を可能とする革新的技術を2050年までに確立することを目指す姿勢は良いのですが、戦後構築した上下水道施設や農業水利(用水路・排水路)施設が劣化・老朽化に伴い更新時期を向えることから、俯瞰的に考えて、水を中心に食糧とエネルギーを三位一体で進めていかなければならないのではないでしょうか。
日本は大気汚染など公害を克服しましたが、再生可能エネルギーの導入等は後退、もはや環境先進国とは言い難い。それよりも台風や地震、津波による災害に対する予防対応インフラ整備の立ち遅れで被害が増大。地球温暖化の進行に始まり、人口の増加、生活水準の向上、産業の発展などによる水不足等の水問題が叫ばれる中、今後の給排水設備はどのような技術でこういった問題を切り抜けていくべきかを知り、考えていかなくてはなりません。
今回は、水と上手につき合いながら、水の恵みを得続けていくための工夫としての「水問題を解決する技術の現状と展望について」「資源の豊かな日本」「後世に伝えたい技術」の3項目のテーマで、人間が住みやすい、きれいな地球を保つための行動として、環境に貢献できる「アイデア」や「取り組み」をわかりやすく解説することに配慮して、特集I(4月号)、特集II(7月号)を構成しました。
特集の主な内容は、次の通りです。
- 巻頭言次世代に継承できる循環型社会の構築 近藤茂(水と食とエネルギーにやさしい社会研究所)
- 水問題を解決する技術の現状と展望について
- 「雨水ろ過設備」 平兼正之(東西化学産業)
- 「排水再利用設備の処理システムについて」 杉浦司(日光プラント工業)
- 「環境問題と地下水の活用」 玉井直樹、福島文明(東洋濾水機)
- 資源の豊かな日本
- 「ふるさと東京再生」 関口雄三(ふるさと東京を考える実行委員会)
- 後世に伝えたい技術
- 「生物浄化方法による安全な飲料水の普及」 中本信忠(信州大学名誉教授)
- 次号特集内容と水環境とエネルギーの未来・Ⅰに寄せて 近藤茂(NPO給排水設備研究会出版委員)
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