年頭所感
2020-01-30
大塚雅之 NPO給排水設備研究会会長理事
会員の皆様、新年あけましておめでとうございます。健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は5月に元号が改元され、平成から令和へ新たな時代の幕開けとなる1年がスタートしました。明るい話題では、まさに東京オリンピック・パラリンピックイヤーでの活躍を予見するかのように、スポーツ界ではラグビーワールドカップでのジャパンチームの活躍が光りました。また、数々の大記録を残し、スポーツ界を牽引してきたレジェンド達の引退、そのバトンを受け継いだ新星達は、新時代を飾るにふさわしい活躍をしました。都心にはオリンピック・パラリンピックで使用する新国立競技場をはじめ、多くの競技施設も完成し、先端的な建築がお披露目されつつあります。きっと新たな給排水設備システムも紹介され、話題を呼ぶことでしょう。
その一方で、9月に台風15号が、引き続き10月には台風19号が列島に上陸し、暴風による家屋等への被害、豪雨による河川の増水と氾濫を招き、各地で甚大な被害をもたらしました。もはや、建物単体での災害対策ではなく、地域・都市レベルで総合的な災害対策を講じなくてはならない時代であることを痛切に感じました。加えて、昨年末にはスペインのマドリッドで第25回国連気候変動温暖化枠組条約締約国会議(COP25)が開催されましたが、パリ協定のルールについて、各国の足並みがそろわず合意できず閉幕しました。地球温暖化対策という課題において世界各国はなかなかワンチームになれません。自然災害対策や地球温暖化対策への貢献できる本研究会の取り組みは、ささやかな活動ですが、益々、重要なものになってきます。
このような背景の中、本研究会は都市・建築の水環境と給排水衛生設備を研究分野とするわが国最大の研究団体として、メンバーの知識や経験を活用し、グローバルな展開を行い、社会に情報発信し貢献することに邁進してきました。今年も日々の常設の委員会活動はもちろん、グローバルな活動であるCIB W062国際シンポジウム(開催;台湾・台中)への国際建築設備調査団、アジア建築設備推進の調査団の派遣も継続して行きたいと思います。
情報発信と技術交流の推進活動におきましても、本会をプラットフォームとし、研究会誌を通して充実した技術情報をお届けします。昨年、ホームページも見やすく、活用しやすいように刷新しましたが、現在、過去の会誌2003年4月号.2018年7月号までのデジタル化が完了しており、会員専用サイトとしてご覧いただけるように整備できました。さらに、会員の皆様の技術交流と懇親の場としての新年会、アジア建築設備推進委員会報告会などの企画も継続して開催し、建築・環境設備を広く分野横断的に捉え、技術交流の場を広げたいと思います。また、昨年来、会員増と組織の強化にも努めてきた成果もあり、現在、正会員276名、学生会員16名、賛助会員130社(1級;44社、2級86社)と会員数も増え、運営基盤も充実してきました。今年のオリンピック・パラリンピックの開催、さらに業界では2025年大阪万博開催に向けての声も聞こえてきます。その過程において、3年後の2023年には本研究会も創立40周年を迎えます。次世代へのバトンタッチも視野に入れながら、研究会の活性化とともに、会員の皆様へは、有益な技術情報を発信できたらと思います。
今年の干支のねずみはたくさんの子を産むことから繁栄の象徴とされています。会員の増加と研究会の更なる発展に微力ながら繋がる一年としたいと思いますので、会員各位には一層のご支援・ご協力を賜りたくよろしくお願いいたします。
皆様におかれましても、本年が素晴らしい年となりますことを祈念しまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。