会長理事就任のご挨拶
2025-08-04
小瀬博之 東洋大学
2025年5月28日に、大塚雅之前会長理事の後任として会長理事に就任いたしました。任意団体時代の会長から数えて8代目となります。これまでの会長及び会長理事が築いてきた給排水衛生設備の調査研究、普及啓発、技術者養成及び技能指導の拠点機能を維持するとともに、さらに充実したものとするために、理事及び会員の協力を得ながら事業を推進してまいります。
私は、大学院に進学して本会の初代会長である紀谷文樹先生の研究室に所属した1993年に給排水設備研究会に入会しました。この年は、創立10周年事業が実施された年にあたり、新宿での記念事業が盛大に行われたことをよく記憶しています。
これまでの会長及び会長理事は、創立時から会員でしたが、私は設立当時のことを知らない初めての会長理事となります。そこで、創立時の経緯が詳しく書かれている1984年4月の「給排水設備研究」創刊号を読み直すと、設立時の熱気に満ちた状況がよくわかります。そして、給排水衛生設備における学識者及び学生と実務者が集う交流拠点としての役割は、現在でも変わらないことを実感します。
現在の定款には、目的として「この法人は、広く一般市民に対して、給排水衛生設備分野の調査研究、普及啓発、技術者養成及び技能指導を通じた技術水準の向上及び情報提供事業を行い、わが国の環境の保全および科学技術の振興に寄与することを目的とする。」と書かれており、裾野を広げた情報・交流拠点としての役割を謳っています。給排水衛生設備は、全世界の誰もがいかなる境遇においてもアクセスできることが求められます。その点で、給排水衛生設備の専門家や組織だけでなく、それ以外の方や組織にも必要性や重要性を理解してもらうことが重要と考えており、その役割を果たす活動が求められます。
一方、給排水衛生設備の専門分野においても、国内外における水環境の課題の解決のため、また、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブというグローバルな環境に関する課題の解決のため、さらに、「誰一人取り残さない」持続可能な社会の実現に向けて、関連団体と協力しながら会員の総力を結集して取り組む必要があります。
日本国内の人口減少や少子高齢化に呼応するように本会の会員も減少傾向にあり、また、働き方改革などの要因も相まって、主体的に活動してくれる会員の確保が難しくなっていることを実感していますが、DXを推進して事業の効率化と参加促進を図るとともに、対面による交流の機会も通じて参加したくなる会を目指してまいります。
会員のみなさまのご協力をよろしくお願いいたします。
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